とても普通で平凡です。そんな愛しい日常生活を綴ります。


by soranikokoro
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佐野洋子さん



朝刊の端に掲載されていた、ちいさな訃報欄。

何となく目をやり

佐野洋子さんが亡くなったことを知りました。



御存知の方も多いと思いますが

佐野さんは178万部のロングセラーを誇る絵本

「100万回生きたねこ」(77年刊行)を描かれた作家です。



私とこの絵本の出会いは

「耳」からでした。



その日の日記から抜粋

97年11月16日

~途中の車のラジオで「100万回生きたねこ」の朗読を聴き

涙、ナミダ。自分の心の欠落部分にすっぽりはまる~



この頃の私はとても大きなストレスを抱えていて

完全にスランプ状態でした。

普通に街で買い物をしていて

涙がポロポロこぼれて止まらなくなったり…。

感情の制御が出来なくなっていました。



そんな私があの日、車中で偶然耳にした

「100万回生きたねこ」の朗読から

それまで一度も感じたことのない、温かく深い衝撃を受けました。

それは、心に浸みわたり

やっとその時の自分の状態を客観的にみることができるようになったのです。



それからです。

少しでも顔を上げて、前を向こう、という気になったのは。



すぐに本を買い、今までに何度も何度も繰り返し読んでいます。

笑い話のようですが、声を出して読むと

泣かずに、最後まで読み通せたことがないのです。

ずいぶん前に「探偵ナイトスクープ」でも同じように

「ある絵本だけは涙なくしては読めないので、何とかしてほしい」

という依頼があったのを思い出しました。絵本のタイトルは違ったけど。



他人から見たら、滑稽だろうと思います。

本当に私も、そんな感じになってしまう「必ず泣いてしまう本」が

「100万回生きたねこ」なのです。



ねこは1,000,001回目め(たぶん厳密には)の生涯において

やっと、わかった(感じた)ことがあります。そして



ねこは、もう、けっして、生きかえりませんでした。

(この1行は、絵本の最後の1行でもあります)



私の人生は今、何回目なのか、わかりませんが

きっと次も生まれてくるような気がしています。

今のところ。

(うれしいような、かなしいような)



佐野洋子さんに心より哀悼を捧げます。
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「100万回生きたねこ」  佐野洋子 作・絵  講談社
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by soranikokoro | 2010-11-07 02:07